スポーツと興行
本記事は市民編集百科事典「アニマロペディア」の項目である。年号は TMA-Timeline、賭博・興行の経済は TMA-Economy-AMT、施設は TMA-Landmarks に準拠する。

アニマリアのスポーツと興行は、多種族都市の競技文化と見世物経済の総称である。「この街の勝負事は、戦争の代用品として発明され、戦争より真剣に戦われている」——夕刊紙『デイリー・ファング』創刊号の社説(AE 76。→ TMA-Media)は、いまも市内のあらゆる競技場の壁に額装されている〔要出典〕。同紙は闘技場の八百長疑惑を主戦場とするタブロイドだが、この社説だけは誰も茶化さない。血の十年(AE 38〜49)を経たこの街では、勝負の場は抗争の安全弁として制度化されてきた。
1. 種族間オリンピック
種族間オリンピックは4年に一度の全市競技祭である。第1回は環境区画の整備完了を記念して AE 73 に開かれ(→ TMA-Timeline)、以後一度も中断していない。本年 AE 121 は第13回大会の開催年にあたり、市はすでに大会一色である。
1.1 五部門
競技は各種族の特性に合わせた走・泳・翔・掘・攀の五部門から成る。学校体育のフィジカル・トラック制はこの五部門の裾野である(→ TMA-Education)。
| 部門 | 主な会場 | 名物 |
|---|---|---|
| 走 | サバンナスクエア | 開会式直後の第一種目。優勝者が聖火ならぬ「聖鈴」を鳴らす |
| 泳 | ヴェール・ウォーターウェイ特設水路 | 沿道ならぬ沿岸の橋がすべて観客席になる |
| 翔 | 市内上空周回コース | 摩天楼の間を抜ける「ビル谷のスラローム」が花形 |
| 掘 | ブロークン・バロウ特設地下 | ゴールが地下にあり観客には何も見えない。「聞くスポーツ」としてラジオと相性が良く、モグラの解説者の独壇場(→ TMA-Media) |
| 攀 | ツリーマーケット空中回廊 | 樹上種と岩壁種の対決構図が伝統 |
1.2 体格五級制と「速さ論争」
体格差を吸収するため、各部門は重量級・中量級・軽量級・羽量級・微量級の五級制を取る(大会規約 AE 81 改正)。それでも「速さとは何か」の論争は絶えない——絶対速度ではなく体長倍率で換算すべきだという派の試算では、歴代の走部門王者はほぼすべて甲虫類になる。この換算表は『デイリー・ファング』(→ TMA-Media)が毎大会「もう一つの表彰台」として掲載し、微量級ファンの溜飲を下げている。
1.3 大会史の名場面
- AE 89 大会(第5回): バロー恐慌の年。中止論が大勢を占めたが、規模を縮小して開催された。「不眠の72時間」(→ TMA-History-Goldfist)の直後、市民が久しぶりに声を出して笑ったのはこの大会だったと回顧される(TMA Times AE 89年11月号「それでも街は走った」)。
- AE 117 大会(第12回): 翔部門の周回コースが「気流の乱れ」を理由に東寄り区間を外して変更された。グリッチ・ゾーンの拡大加速(→ TMA-Timeline)と結びつける論評もあるが、大会組織委は否定している〔要出典〕。
- 二人三脚レースはオリンピック種目ではない。第10月のバランスフェスティバル名物である(→ TMA-Daily-Life)。混同は市外者の定番の恥とされる。
2. アリーナ興行
2.1 ノクターン・アリーナ
中立地帯の地下闘技場。ファミリー間の「名誉をかけた代理戦」の舞台であり、正面切った抗争を避けるための安全弁として機能してきた(→ TMA-Landmarks)。観客席の作法は三つ——「勝者を讃え、敗者を見送り、賭けの結果を口外しない」。
- 興行は月齢に合わせて組まれ、大一番は満月に置かれる(「満月の契約は破れない」→ TMA-Religion)。
- 代理戦の結果は五家間で拘束力を持つとされ、八百長疑惑は審判院マターになる唯一のスポーツ案件である(→ TMA-Justice)〔要出典〕。
2.2 ブラッド・アリーナ

シャドウ・レイヤー最深部にあるとされる非合法闘技場。ノクターン・アリーナが「名誉」なら、こちらは剥き出しの見世物と賭けの本場だという(→ TMA-Underworld)。場所を知る者は多くを語らず、語る者はたいてい行ったことがない〔要出典〕。
3. 賭け — オッズの街

賭博の表玄関はギルト・マイルである(→ TMA-History-Animalia)。「時計のない街区」では待ち合わせを「何勝負後」で数える。
- オアシス・カジノの大衆フロアは最低賭け金 1 AMT。家族連れ向けの「ノーレート教習卓」まであり、市民の社交場として機能している(→ TMA-Daily-Life)。
- 百年オッズ: AE 100 の開府百年祭でゴールドフィストが開帳した「次の百年」への公開賭博(→ TMA-History-Goldfist)。いまも受付は続いており、賭け札「AE 200年、この街はまだ在るか」を巡る撤去騒動は語り草である。
- 外れ待ちの老人たち: ギルト・マイルの片隅には「次に調律予報が外れる日」に賭け続ける常連がいる。天気が配られるこの街では絶対に当たらない賭けとされてきたが、AE 119 のスコール4分遅延(→ TMA-Nature)で史上初の配当が出たという噂がある。胴元は肯定も否定もしていない。この節の中立性には議論があります。
4. 電脳競技

碧龍電脳城の表側フロアはVR賭場の最大手である(→ TMA-Daily-Life)。身体の大きさが勝敗に影響しないため小型種に絶大な人気があり、AE 112 には対戦リーグ「碧龍杯」が創設された〔要出典〕。現王者はトガリネズミの「クォート」——体重は登録選手中最軽量、異名は「視界に入らない拳」。電脳の中では、微量級が重量級を投げる。
5. 市民スポーツ歳時記
| 時期 | 競技・行事 | 概要 |
|---|---|---|
| 第6月 | 水路レガッタ | 水路開き(→ TMA-Religion)の併催。アクア・フィン同盟の櫂の祭典。優勝艇はその年の「一番舟」の名誉を得る |
| 第10月 | 二人三脚レース | バランスフェスティバル名物。捕食種と被食種が組む(→ TMA-Daily-Life) |
| 冬 | 氷壺(ひょうこ) | 極地エリアの氷上で重い壺を滑らせる伝統競技。縁台将棋のような存在で、ルールの地方差が激しく統一戦は毎回もめる |
| 通年 | 屋上パルクール | 樹上種の若者がツリーマーケットの空中回廊を駆ける。市警は「見なかったことにする」対応を続けている〔要出典〕 |
| 毎日正午 | サバンナの昼寝 | 競技ではない。「昼寝は競技ではない、文化である」と区民は怒る(→ TMA-Nature) |