この記事はアニマリア市民の共同編集によるものです。記述の中立性については常に議論があります。
アニマリアの食文化
本記事は市民編集百科事典「アニマロペディア」の項目である。年号は TMA-Timeline、物価は TMA-Economy-AMT、生活全般は TMA-Daily-Life、店の場所は TMA-City-Guide に準拠する。

アニマリアの食文化(アニマリアのしょくぶんか)は、捕食者と被食者が同じ街で暮らす多種族都市に固有の食習慣の総称である。「アニマリアの食卓は、協定より古い平和である」——屋台が五家協定以前からの「食っている者は襲わない」という休戦慣習の場だったことを指す、この街でもっとも古い部類の格言である〔諸説あり〕。三交代都市(→ TMA-Daily-Life)では夜明け・日没・その中間に「朝飯どき」が一日に三度訪れ、飲食店の火は事実上落ちない。
1. 食性四分類とマナー
外食産業の標準は肉食・草食・虫食の三大食性に雑食を加えた四分類である(アニマリア飲食業組合・格付け要綱 AE 118年版)。
- 配慮皿: 他食性の同伴客に出す無臭調理の皿。一流店の証とされる(→ TMA-Daily-Life)。プレデターズ・パラダイスの配慮皿は「匂いだけでなく音まで消してある」と評される〔要出典〕。
- マナーの第一条: 「相手の主食を目の前で褒めない」。捕食を連想させるためである。
- 招待状にはメニューを明記する。礼儀ではなく安全確認である(→ TMA-Daily-Life)。
- 同じ鍋の作法: 百家鍋など共有鍋では「小さい口から箸を入れる」——小型種から先に取る——のが古式とされる。大型種が先に箸を入れると鍋が一巡で空くから、という実利説が有力である。
- 学校給食は草食系「グリーンライン」と肉食系「レッドライン」の二重メニュー方式(→ TMA-Education)。
2. 名物料理図鑑
編集者からの注記: 価格は AE 120 年時点の目安(→ TMA-Economy-AMT)。市民の平均月収は単純労働で 2,000〜3,000 AMT とされる〔要出典〕。
| 料理 | 地区 | 目安 | 説明 |
|---|---|---|---|
| 夜明けの粥(三種) | ネオン・クロスロード朝市 | 3 AMT | 青菜粥(草食)・出汁粥(肉食)・蟲串添え(虫食)。捕食者と被食者が同じ長椅子で啜る朝の名物(→ TMA-City-Guide) |
| 百家鍋 | 中華街・星霜市場そば | 1杯 5 AMT | 何十軒もの屋台が具を持ち寄る大鍋。「初手は龍の髭を数えるな。黙って食え、旨いから」 |
| 鐘楼のストゥファート | ヴェッキオ | 40 AMT | 鐘楼の鐘が三度鳴る間(=約三時間)煮込む煮込み料理。ヴェッキオの「長い夕食」の主役。注文してから席に着くのが正しい |
| 満月団子 | 月見町・縁日 | 2 AMT | 満月の縁日の名物団子。売り切れの早さで翌月の景気を占う俗信がある〔要出典〕 |
| 氷室の熟成棚 | フロストハーバー | 時価 | グレイアイス倉庫群の一角で熟成される肉・魚。三度の冬を越した「三冬もの」が最高級とされる |
| 火喰い鍋 | ジャングル地区 | 8 AMT | 全市一の香辛料濃度を誇る激辛鍋。完食者は屋台の柱に爪痕を残すことを許される |
| 日向飯(ひなためし) | サバンナスクエア | 12 AMT | 露天で供される大皿料理。商談成立の締めに全員で囲むのが流儀。「日向の話は日向で」の食卓版 |
| 宵市の炙り串 | 砂漠エリア | 1本 2 AMT | 日没後の宵市の串焼き。星見の丘への持ち込み定番(→ TMA-Nature) |

3. 肉球ガイド — 店の格付け
『肉球ガイド』は TMA Times グルメ欄が年一回発行する格付け冊子である(AE 84 創刊〔要出典〕。→ TMA-Media)。覆面調査員の身元は歴代一度も割れたことがなく、「調査員の正体を当てる」こと自体が飲食業界の裏の賭けの対象になっている。
| 格付け | 意味 |
|---|---|
| 一肉球 | 通いたい |
| 二肉球 | 並んででも |
| 三肉球 | 遺言に書き残せ |
- 三肉球は現在、市内に7軒〔要出典〕。プレデターズ・パラダイスは配慮皿の完成度を理由に三肉球を維持している。
- 夜明けの粥屋は毎年掲載を辞退し続けている唯一の常連候補である。主人いわく「うちの椅子は、星を数える客には固すぎる」。
- 鏡月楼の扱いを巡っては「茶は料理か」論争が毎年再燃する。この節の中立性には議論があります。
4. 酒と茶
- ワインとヴェッキオ: 第一移民波(AE 3)はワイン商と職人の一団だった(→ TMA-History-Rosso)。ヴェッキオの酒蔵通りは「歌う酒蔵」と呼ばれ、樽の並ぶ地下蔵でオペラの発声練習が行われる——湿度と反響が理想的だからだという。
- 乾杯の作法: 「最初の一杯は床に一滴」。帰らなかった者たちの分を先に注ぐ。禅任寺の陰膳文化と同根とされる(→ TMA-Religion)。
- ジャンボ・リカーズ商会: 街のコンビニの酒はここが卸している(→ TMA-Daily-Life)。看板銘柄は蒸留酒「ジャンボの八番」。一番から七番まで何があったのかは、誰も答えてくれない〔要出典〕。
- ウルフパック・バー: ツンドラで唯一「人間味の許される場所」(→ TMA-History-Tundra)。無名戦士への献杯は言葉を発さず行う。
- 茶: 鏡月楼では茶より噂の方が高くつく(→ TMA-City-Guide)。中華街の星霜市場には薬草茶の量り売りが並び、「効く茶ほど不味い」が売り文句として成立している。
- 月齢と酒: 満月の夜は「満月の契約は破れない」(→ TMA-Religion)にあやかって祝い酒が出る。新月(Oracleの静寂)は酒場が最も静かな夜である。
5. 日常の食 — コンビニ・屋台・出前

- ノクターン・マートの棚は8時間ごとに主要客層向けに入れ替わる(→ TMA-Daily-Life)。昼行性帯は弁当と青菜、薄明帯は粥とスープ、夜行性帯は炙りと生食チルドが主力になる。「棚を見れば時刻が分かる」は市民の実感である。
- 出前: 夜行性住区への昼の出前は静音条例(AE 67)により消音履きが義務(→ TMA-Daily-Life)。
- 屋台の符牒: 席を立つとき椅子を鳴らさない客は「急いで消えたい客」であり、店主は勘定を月末付けに回して送り出す——という不文律があると言われる〔要出典〕。
- 屋台で喧嘩がほぼ起きないことについて、民俗学者は休戦慣習の内面化を指摘するが、屋台の親父たちの説明はもっと簡潔である——「口がふさがってるからだ」(アニマリア民俗学会紀要・AE 117年版)。